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台湾の高校生が日本の自動車技術を体験|姫路市留学生受入促進モデル事業を実施

台湾の高校生が日本の自動車技術を体験|姫路市留学生受入促進モデル事業を実施

姫路市留学生受入促進モデル事業を実施|台湾の高校生5名を迎える

姫路市が実施する「令和8年度留学生受入促進モデル事業」の一環として、日本工科大学校では台湾の高等職業学校で自動車技術を学ぶ学生を受け入れ、特別プログラムを実施しました。

本事業は、姫路市が推進する「ひめじグローバル人材育成コンソーシアム」の取り組みの一つとして行われており、専門教育や企業見学、日本文化体験を通じて、将来的な留学促進や地域企業への就職・定着につなげることを目的としています。

今回参加したのは、台湾・台北市にある「台北市立大安高級工業職業学校(臺北市立大安高級工業職業學校)」で自動車技術を学ぶ16歳・17歳の学生5名です。

来日した学生たちは約2週間にわたり姫路市内で研修を行いました。その中で日本工科大学校は、自動車整備、次世代モビリティ、鈑金塗装分野の専門教育を担当。日本のものづくり教育を実際に見て、触れて、体験できる5日間の特別プログラムを提供しました。


【集合写真】

日本工科大学校での5日間のプログラム

日付 内容
8月26日 開講式、在校生との交流会、エンジン構造・原理実習
8月27日 HV・EV・FCV技術実習、故障診断実習、EV試乗体験
8月31日 鈑金実習(損傷診断、粗出し作業、パテ成形、下地施工)
9月1日 塗装実習(下地施工、調色、比色、スプレーガン操作、色付け)
9月2日 塗装実習(クリア仕上げ・完成)、実車を使用した応用実習、閉講式

在校生との交流を通じて深まった国際交流

プログラム初日には開講式を実施。その後、日本工科大学校の在校生との交流会を実施しました。

参加したのは一級自動車工学科の学生3名です。

初めて対面した際は、台湾の学生たちも緊張した様子を見せていました。しかし、交流会が始まると徐々に笑顔が増え、会場は和やかな雰囲気に包まれました。

交流会では、日本と台湾それぞれのお菓子を持ち寄り、お互いの文化について紹介しました。また、自動車が好きという共通点から、好きな車種・将来の夢といった話題で盛り上がったほか、野球やアニメ、音楽など学生らしい話題でも交流が深まりました。

言葉や文化の違いはあっても、共通の興味や関心を持つ同世代同士。交流会終了時にはすっかり打ち解けた様子が見られ、その後の実習や学校生活もより充実したものとなりました。


【交流会の様子】

エンジンの仕組みを学び、自分の手で整備を体験

8月26日(水)

研修初日は、自動車整備の基礎となるエンジン構造と原理について学びました。

授業では4サイクルエンジンの「吸気・圧縮・燃焼・排気」の仕組みをはじめ、クランクシャフトやカムシャフト、タイミングベルトの役割について解説。エンジン内部でどのように動力が生み出され、車輪へ伝わるのかを学びました。

座学の後は実際のエンジンを使用した実習を実施。部品の位置や名称を確認しながら、エンジン内部の構造を観察しました。

教科書だけでは理解しづらい機械の動きを実際に確認することで、日本の自動車整備教育の特徴である「理論と実践を結びつける学び」を体験していただきました。


【座学の様子】


【実習の様子】

HV・EV・FCVを学び、次世代モビリティを理解する

8月27日(木)

自動車業界では現在、電動化が急速に進んでいます。

日本工科大学校では次世代モビリティ分野の授業として、

  • ハイブリッド車(HV)
  • 電気自動車(EV)
  • プラグインハイブリッド車(PHEV)
  • 燃料電池車(FCV)

について学びました。

授業では、ガソリン車と電動車の違いやモーター駆動の仕組み、高電圧システムの安全管理、バッテリー技術などについて解説しました。

また、実車を使用しながら各車両の構造を確認し、故障診断機を使用した診断実習にも挑戦。実際の整備現場で活用されている技術に触れました。

さらに、EV車の試乗体験も実施しました。

走り出した瞬間から最大トルクを発生するEVならではの力強い加速性能を体感すると、学生たちからは驚きの声も上がりました。

エンジン音がほとんどない静かな走行性能と、アクセル操作に対して素早く反応する加速感は、これまでガソリン車を中心に学んできた学生たちにとって新鮮な体験となったようです。

講義で学んだ知識を実際の車両で体感することで、次世代モビリティへの理解をさらに深める機会となりました。


【実習の様子】


【試乗体験の様子】

日本の鈑金技術を学び、損傷パネルを修復

8月31日(月)

鈑金実習では、事故などで損傷した車体を修復する技術に挑戦しました。

まずは損傷診断の方法を学び、パネルの変形状態や損傷範囲を確認。その後、

  • 塗膜除去
  • 粗出し作業
  • ハンマーや工具を用いた修正作業
  • パテによる成形
  • 下地処理

といった工程を体験しました。

特に学生たちが苦戦していたのがパテ作業です。

パテは主剤と硬化剤を混ぜた瞬間から化学反応が始まり、時間の経過とともに硬化が進みます。そのため、適切なタイミングで素早く作業を行わなければなりません。

また、パテを均一に塗り広げるためのヘラの使い方にも高い技術が求められます。

初めのうちは思うように形を整えられず苦戦する様子も見られましたが、教員の指導を受けながら何度も作業を繰り返すうちに少しずつコツをつかんでいきました。

粗目のパテで大まかな形を整え、その上から細目のパテを重ねて表面を仕上げる工程を繰り返しながら、学生たちは根気強く作業に取り組みました。

長年現場で培われた日本の鈑金技術は決して一朝一夕で身につくものではありません。しかし、職人気質の教員が一人ひとりの作業を確認しながら丁寧に指導し、それに応えようと学生たちも真剣な表情で技術習得に挑戦していました。


【座学の様子】


【実習の様子】

塗装実習で色合わせから仕上げまでを体験

9月1日(火)

塗装実習では、自動車補修塗装の流れを実践的に学びました。

授業では、

  • 塗装の種類
  • 調色
  • 比色
  • 塗装工程
  • クリア塗装

について学んだ後、実際の塗装作業に挑戦しました。

作業は自動車塗装専用の塗装ブース内で行われました。塗装ブースはホコリの侵入を防ぎ、高品質な塗装を実現するための特殊な作業空間です。

学生たちにとっては初めて入る環境であり、普段の教室や実習場とは異なる雰囲気に緊張した様子も見られました。また、塗料特有の匂いや作業環境も含めて、新鮮な体験となったようです。

実際の塗装作業の前には、スプレーガンの扱い方を学習しました。スプレーガンは角度や距離、移動速度によって仕上がりが大きく変わるため、高い技術が求められます。

学生たちはまず水を使用して噴射練習を繰り返し行い、均一に吹き付ける感覚を身につけていきました。

その後は教員のサポートを受けながら実際の塗装工程へ進みます。塗料を吹き付ける工程では、一人ひとりが集中しながら慎重に作業を進めていました。


【実習の様子】


【塗装ブースでの作業の様子】

クリア仕上げと実車作業で学びを実践

9月2日(水)

研修最終日には、前日までに色付けを終えたパネルへクリア塗装を施し、作品を完成させました。

クリア塗装は塗装面の保護だけでなく、美しい光沢を生み出す重要な工程です。

学生たちは教員のサポートを受けながら慎重に作業を進め、自分たちの手で仕上げたパネルの完成を喜んでいました。

また、完成したパネルだけでなく、実車を使用した応用実習も実施しました。

実際の車両を前にすると、平面のパネルとは異なり、ボディラインや曲面への対応など、より実践的な技術が求められます。

学生たちはこれまでの3日間で学んだ鈑金塗装の知識と技術を活かしながら、日本の自動車補修技術への理解をさらに深めました。


【完成したパネル】


【実車での作業の様子】

修了証授与とともに迎えた閉講式

5日間のプログラムの締めくくりとして閉講式を実施し、参加した学生一人ひとりに修了証を授与しました。

その後の感想発表では、学生たちが日本語や英語を使いながら、自分の言葉で学びや感謝の気持ちを伝えてくれました。

「この場にいるみなさん、ありがとうございました。特に技術を教えてくださった先生方、本当にありがとうございました。」
「鈑金塗装は学んだことがなかったので難しかったです。なのでこの数日間はとても疲れましたが、学ぶことがたくさんあって楽しかったです。」
「このような機会をいただき、ありがとうございます。ここに来ることができて嬉しいです。」

それぞれが緊張しながらも堂々と前を向いて話す姿が印象的でした。

16歳、17歳という若さで、母国語ではない言語を使い、多くの人の前で自分の考えを発表する姿に、参加した教職員は大きな感銘を受けました。

自分たちが同じ年齢だった頃に、それだけの勇気を持てただろうか。今の日本の高校生たちに同じことができるだろうか。そんなことを考えさせられる場面でもありました。

国や言葉は違っても、学びたいという気持ちや挑戦する姿勢は同じです。若者たちの可能性の大きさを改めて感じる閉校式となりました。


【閉講式の様子】

参加学生から寄せられた声

研修終了後のアンケートでは、多くの学生から前向きな感想が寄せられました。

「どんな問題に直面しても先生方が丁寧に答えてくださり、理解できるように補足して説明してくれました。」
「ここで学んだ技術は台湾では学ぶことができない内容でした。」
「鈑金と塗装は(現在在籍している)学校では学べない技術で、難しかったですがとても楽しかったです。」

また、「日本への留学に興味が湧いた」「将来日本で働くことを検討したい」といった回答もあり、今回の研修が学生たちの将来の進路やキャリアを考えるきっかけとなったことがうかがえました。


【集合写真】

姫路から世界へ。日本工科大学校の国際人材育成

今回のプログラムは、単なる学校見学や国際交流ではなく、日本の自動車技術とものづくり教育を実践的に学ぶ専門教育プログラムとして実施されました。

エンジン整備からHV・EV技術、鈑金、塗装、さらには企業見学まで、自動車業界を総合的に学べる内容は、日本工科大学校ならではの特色ある取り組みです。

また、本校では自動車分野だけでなく、建設分野やAI・情報分野など、これからの社会を支えるさまざまな専門分野の人材育成にも取り組んでいます。

今回の受入れは自動車技術をテーマとしたプログラムでしたが、国際交流やグローバル人材育成は学校全体の取り組みでもあります。

将来、今回参加した学生たちの中から再び日本工科大学校で学ぶ学生が現れるかもしれません。そして、自動車、建設、AI・情報など、それぞれの専門分野で日台の架け橋となる人材が育っていくことを期待しています。

日本工科大学校はこれからも地域・企業・行政と連携しながら、専門教育を通じた国際交流とグローバル人材育成に取り組んでまいります。


【建設工学部 見学の様子】

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