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RPAとは?事務作業を自動化するデジタルロボットをわかりやすく解説

RPAとは?事務作業を自動化するデジタルロボットをわかりやすく解説

●結論
RPAとは、人がパソコンで行う定型業務を自動化するソフトウェア技術です。データ入力や集計、システム操作などを自動化できるため、多くの企業で業務効率化や人的ミス削減のために導入されています。近年は生成AIとの連携も進み、活用範囲が広がっています。

●要点まとめ
・RPAはパソコン作業を自動化する技術
・ルール化された定型業務が得意
・AIとRPAは役割が異なる
・多くの企業や自治体で導入が進んでいる
・今後は生成AIとの連携が進む可能性がある
・IT人材の重要性はさらに高まると考えられている

RPAとは?

RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、人がパソコン上で行う定型業務をソフトウェアによって自動化する技術です。

ロボットという言葉が含まれていますが、工場で動く機械ロボットではありません。パソコンの中で動作する「デジタルロボット」が、人間の代わりにマウス操作やキーボード入力を行います。

例えば、

  • Excelへのデータ入力
  • システムへの情報登録
  • 売上データの集計
  • メール送信
  • 資料作成
  • 複数システム間のデータ転記

といった繰り返しの多い業務を自動化できます。

近年は企業の人手不足やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れもあり、多くの企業や自治体でRPAの導入が進んでいます。

RPAには3つの種類がある

実はRPAには複数の種類があります。

デスクトップ型RPA

個人のパソコン上で動作するタイプです。

事務担当者のパソコンでデータ入力やExcel処理を自動化するケースでよく利用されます。

比較的小規模な自動化から始めやすいことが特徴です。

サーバー型RPA

サーバー上で動作するタイプです。

複数部署や全社規模で利用されることが多く、大量の業務をまとめて自動実行できます。

夜間に集計処理を行うケースなどでも活用されています。

クラウド型RPA

クラウドサービスとして利用するタイプです。

インターネット経由で利用できるため、システム構築の負担を抑えやすい特徴があります。

近年はクラウドサービスの普及に伴い、クラウド型RPAへの注目も高まっています。

RPAはどのようにパソコンを操作しているのか

RPAは、人間が行うパソコン操作をソフトウェアで再現する技術です。

画面のボタンをクリックしたり、キーボードで文字を入力したり、Excelを開いてデータをコピーしたりといった作業を自動で実行できます。

「ロボット」と聞くとAIのように自分で考えるイメージを持つ人もいますが、RPAは基本的に決められたルールに従って動作します。

例えば、

「売上データをダウンロードする」

「Excelを開く」

「指定されたセルへ貼り付ける」

「集計を実行する」

「担当者へメール送信する」

といった一連の流れを、あらかじめ設定された手順通りに実行します。

人間の操作を自動化シナリオへ変換する

近年のRPA製品には、ユーザーの操作を記録し、自動化シナリオの作成を支援する「レコーダー機能」が搭載されているものがあります。

担当者が実際に業務を行うと、

・どの画面を開いたか
・どのボタンをクリックしたか
・どの情報を入力したか

などの情報を取得し、自動化フローの作成を支援します。ただしRPAは単純な録画再生ツールではありません。

多くの製品では、画面上のボタンや入力欄を識別し、条件分岐やデータ処理を組み合わせながら業務全体を自動化できます。

RPAはどのように進化してきたのか

RPAは登場当初から現在までに大きく進化しています。特に変化したのは、「パソコン画面をどのように認識しているのか」という部分です。

現在のRPAは高性能な業務自動化ツールですが、初期のRPAは現在ほど柔軟ではありませんでした。

初期のRPAは「場所」を覚えていた

初期のRPAでは、画面上の座標を記録して操作する方式が多く採用されていました。

例えば、

「画面の左上から500ピクセル、上から300ピクセルの位置をクリックする」

といった形で、ボタンの場所そのものを記憶していました。

この方法は仕組みがシンプルな反面、次のような課題がありました。

  • 画面レイアウトが変わると動作しなくなる
  • ボタンの位置変更に弱い
  • 解像度が異なるパソコンでは失敗することがある
  • システム更新のたびに修正が必要になる

つまり、「どこにあるか」は理解していても、「何のボタンなのか」は理解していなかったのです。

現在のRPAは「部品」を認識している

現在のRPAは単純な座標操作ではありません。

Webサイトやアプリケーションの中にあるボタンや入力欄などの画面要素を識別して操作します。

例えばWebページには、

「ログインボタン」
「検索ボックス」
「メールアドレス入力欄」

などの情報が内部的に存在しています。

現在のRPAは、HTMLやアプリケーションのUI情報を解析し、それぞれの要素を認識したうえで操作します。

そのため、

  • ログインボタンをクリックする
  • メールアドレス入力欄に文字を入力する
  • 検索ボックスへキーワードを入力する

といった処理を実行できます。

人間が画面を見て「このボタンを押そう」と判断するのに近い考え方です。

イメージしやすく言うと

初期のRPAは、「机の上の右から3番目にある本を取る」という指示で動いていました。しかし本の位置が変わると失敗します。

一方、現在のRPAは、「タイトルが○○という本を探して取る」という考え方で動作します。

そのため、本の置き場所が多少変わっても見つけることができます。

AIとの連携でさらに進化している

近年は生成AIやOCRとの連携も進んでいます。

従来のRPAは「決められたルールを実行する」ことが得意でした。

現在は、

  • OCRが請求書の文字を読み取る
  • AIが内容を理解・分類する
  • RPAがシステムへ登録する

という連携も実現されています。

つまり、

「考える役割はAI」
「実際に操作する役割はRPA」

という分担が進んでいるのです。

2026年現在の最新トレンドはAIエージェント連携

近年はAIエージェントと呼ばれる仕組みへの注目が高まっています。

AIエージェントとは、人間から指示を受けると複数の処理を計画し、自律的に実行しようとする技術です。

例えば、

「今月の売上レポートを作成して担当者へ送っておいて」

と指示すると、

  • 売上データ取得
  • 集計
  • 分析
  • グラフ作成
  • メール送信

まで自動で実行する未来が見え始めています。

このような仕組みでは、

AIエージェントが指示内容を理解する

RPAがシステムを操作する

生成AIがレポートを作成する

という連携が行われます。

現在のRPAは単なる自動入力ツールではなく、AI・生成AI・クラウドと組み合わせながら発展している技術の一つになっています。

関連記事:AIエージェントとは?生成AIとの違いを初心者向けに簡単解説

RPAが注目される理由

RPAが普及している背景には、企業が抱えるさまざまな課題があります。

人手不足への対応

多くの企業では人材不足が課題となっています。

単純作業に時間を取られると、本来注力すべき仕事に十分な時間を使えません。

RPAは定型業務を代行することで、人がより重要な業務へ集中できる環境づくりを支援します。

人的ミスの削減

人間は疲労や集中力の低下によってミスをすることがあります。

一方でRPAは設定されたルール通りに実行するため、入力ミスや転記ミスの削減につながります。

業務の標準化

業務が特定の担当者しかできない状態を「属人化」と呼びます。

RPAに業務手順を登録することで、作業内容を見える化しやすくなり、担当者が変わっても業務を継続しやすくなります。

RPAはどんな場所で使われている?

RPAは特別な企業だけで使われている技術ではありません。

実は銀行や病院、市役所、通販サイトなど、私たちの身近な場所でも活用されています。

銀行では大量の事務処理を自動化

銀行では毎日、多くの申込書や契約情報が処理されています。

例えば口座開設やローン申込では、申込内容を複数のシステムへ登録する作業が発生します。

人が1件ずつ入力していると時間がかかりますが、RPAを活用することでデータ転記や確認作業を自動化できる場合があります。

役所では住民サービスを支える裏方として活躍

市役所や県庁では、住民から提出された申請書の処理や統計資料の作成が日常的に行われています。

こうした業務には大量のデータ入力が発生します。

RPAを活用することで、職員は単純な入力作業ではなく、住民対応や相談業務など人だからこそできる仕事へ時間を使いやすくなります。

病院では医療スタッフの負担軽減につながっている

病院では診療だけでなく、予約管理や請求処理など多くの事務作業が行われています。

例えば診療後の会計処理や各種データ集計など、ルール化しやすい業務はRPAで自動化できる場合があります。

業務効率化によって、医療スタッフが本来の業務へ集中しやすくなることが期待されています。

通販サイトでは24時間働くデジタルスタッフ

ECサイトでは注文受付から発送まで多くの情報処理が発生します。

商品の注文が入ると、

  • 受注データの確認
  • 在庫の更新
  • 配送システムへの登録
  • お客様へのメール送信

など複数の作業が必要になります。

RPAはこうした処理を自動化することで、膨大な注文にも対応しやすくしています。

RPAが得意なこと・苦手なこと

RPAは非常に便利な技術ですが、万能ではありません。

得意な業務もあれば、人間が担当したほうが良い業務もあります。

導入を検討する際は、RPAの強みと限界の両方を理解しておくことが大切です。

得意なこと① 繰り返し作業を素早く処理する

RPAが最も力を発揮するのは、毎日同じ手順で行う定型業務です。

例えば、

  • データ入力
  • 売上集計
  • メール送信
  • システムへの情報登録

などの作業は、人間より速く正確に処理できる場合があります。

担当者は単純作業に時間を取られにくくなり、企画や顧客対応などより重要な業務へ集中しやすくなります。

得意なこと② 24時間働き続けられる

人間は休憩や睡眠が必要ですが、RPAは夜間や休日でも稼働できます。

例えば日中に集まったデータを夜間に処理しておけば、翌朝には集計結果が完成しているという運用も可能です。

大量の処理が必要な企業では大きなメリットになります。

得意なこと③ ミスを減らしやすい

人間は疲労や集中力の低下によって入力ミスをすることがあります。

一方でRPAは、設定されたルールに従って同じ作業を繰り返すため、転記ミスや入力ミスの削減につながる場合があります。

苦手なこと① 状況に応じた判断

RPAは「決められたルールを実行する」ことは得意ですが、人間のように考えて判断することは苦手です。

例えば、

  • クレーム対応
  • 商談
  • 企画立案
  • デザイン制作

などは人間の知識や経験が重要になります。

苦手なこと② 想定外のトラブル対応

システム障害や画面デザインの変更など、想定外の状況が発生すると正常に動作できなくなる場合があります。

そのためRPAを導入した後も、定期的な確認やメンテナンスは必要です。

苦手なこと③ 導入するだけでは効果が出ない

RPAは導入しただけで業務が劇的に改善するわけではありません。

どの業務を自動化するべきかを分析し、適切なシナリオを設計することが重要です。

自動化に向いていない業務へ無理に導入すると、期待した効果が得られないこともあります。

大切なのは人間とRPAの役割分担

RPAは人間の代わりになる技術ではなく、人間を支援する技術です。

単純で繰り返しの多い作業はRPAが担当し、人間は判断・創造・コミュニケーションが必要な業務に集中する。

そのような役割分担によって、業務全体の効率化が期待されています。

RPAに関わる仕事にはどんなものがある?

RPAは利用するだけでなく、開発や運用に関わる仕事も存在します。

例えば、

  • RPAエンジニア
  • システムエンジニア
  • ITコンサルタント
  • DX推進担当者
  • 業務改善担当者

などがあります。

今後も企業のデジタル化が進む中で、業務改善や自動化を支援できる人材の需要は続くと考えられています。

よくある質問(FAQ)

RPAはプログラミングが必要ですか?

製品によって異なりますが、近年のRPAにはノーコードやローコードで利用できるものも多くあります。ただし、より高度な自動化を行う場合はプログラミング知識が役立つことがあります。

RPAと生成AIは同じですか?

同じではありません。RPAは作業の自動実行が得意で、生成AIは文章作成や情報整理などの判断支援が得意です。

RPAで全ての仕事を自動化できますか?

できません。ルール化できる定型業務は得意ですが、人間同士のコミュニケーションや創造的な業務は人の役割が重要です。

高校生でもRPAを学べますか?

はい。RPAはプログラミングだけでなく、業務改善や情報システムの考え方とも関係しています。AIやIT分野の基礎知識があれば理解しやすくなります。

まとめ

RPAとは、人がパソコンで行う定型業務を自動化する技術です。

データ入力や集計作業、システム操作などを効率化できるため、多くの企業や自治体で活用されています。

また近年は生成AIとの連携も進み、単なる作業自動化から、より高度な業務支援へ発展しつつあります。

AIやDXが進む時代だからこそ、自動化技術の仕組みを理解することは、これからの社会や仕事を考えるうえで重要になっています。

AI技術は日々進化しています。ニュースで目にする技術も、その仕組みを知ると見え方が変わるかもしれません。

その上で補足として、AIについてさらに体系的に学びたい方は、日本工科大学校のAI分野の学びも参考にしてみてください。

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企画・編集:日本工科大学校 広報チーム
本記事は、日本工科大学校が運営する情報発信コンテンツとして制作しています。
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