2026年VNL新ルール「ブックマークシステム」とは?ビデオ判定の進化を紹介
●結論
2026年VNLで導入された「ブックマークシステム」は、AIが自動で判定する仕組みではなく、ラリー中に確認したいプレーを記録し、ビデオレビューを効率化する新しい運用システムです。映像解析技術と組み合わせることで、判定の公平性や試合進行のスムーズさが期待されています。
●この記事でわかること
・ブックマークシステムとは何か
・従来のチャレンジ制度との違い
・ビデオ判定の仕組み
・AI・画像認識との関係
・スポーツテクノロジーの今後
●要点まとめ
・2026年VNLで新たなレビュー方式が試験導入
・ラリー中に確認したいプレーを記録できる
・AI判定ではなく映像レビューを支援する仕組み
・判定時間の短縮と公平性向上が期待される
・スポーツDXの一例として注目されている
2026年VNLで導入されたブックマークシステムとは?

2026年のバレーボールネーションズリーグ(VNL)では、新たなビデオレビュー方式として**「ミッドラリー・チャレンジ・ブックマーク(Mid-rally Challenge Bookmark)」**の試験導入が発表されました。
この仕組みは、試合中の判定をAIが自動で行うシステムではありません。
ラリーの途中で「このプレーをあとで確認したい」と記録(ブックマーク)しておき、ラリー終了後にビデオ映像を確認しやすくするための新しいレビュー支援機能です。
従来のチャレンジ制度では、ラリー終了後に審判へチャレンジを申し出る形式が一般的でした。しかし、複数のプレーが続く長いラリーでは、どの場面を確認するのか分かりにくくなる場合があります。
そこで導入されたのがブックマークシステムです。
ラリー中に対象となるプレーを記録しておくことで、レビュー対象を明確にし、よりスムーズなビデオ判定につなげることが目的です。
なぜブックマークシステムが導入されたのか
近年の国際スポーツでは、「正確な判定」と「試合進行のスピード」を両立することが重要な課題になっています。
ビデオ判定は誤審を減らす効果がありますが、一方で映像を確認する時間が長くなると試合の流れが止まってしまいます。
特にバレーボールでは、一つのラリーの中で次のようなプレーが連続して起こります。
・タッチアウト
・ブロックタッチ
・イン・アウト判定
・センターライン付近の接触
ラリーが長くなるほど、「どの場面を確認したいのか」が分かりにくくなり、レビュー時間が長引くケースもありました。
ブックマークシステムでは、確認したいタイミングをラリー中に記録できるため、レビュー開始後すぐに該当シーンへ移動できます。
その結果、
・判定時間の短縮
・試合進行の円滑化
・判定対象の明確化
といった効果が期待されています。
ブックマークシステムの仕組み
一見すると難しそうに聞こえますが、ブックマークシステムの考え方は、動画配信サービスの「しおり機能」に近いものです。
例えば映画を見ていて、「この場面を後でもう一度見返したい」と思ったときに、再生位置へ目印を付けられる機能があります。後から探す手間が省けるため、目的のシーンをすぐに再生できます。
2026年VNLで導入されたブックマークシステムも、基本的な考え方は同じです。
試合中、監督やベンチスタッフが「今のプレーは後で確認したい」と判断したタイミングで、その場面をシステム上に記録(ブックマーク)します。これは映像そのものを保存するのではなく、「この時点を確認対象として記録する」という目印を付ける操作です。
この目印は、試合映像を管理するビデオレビューシステムと連携しており、ラリー終了後にレビューが行われる際、映像オペレーターはブックマークされた場面へすぐに移動できます。
レビューはどのような流れで行われるのか
ブックマークシステムを使ったレビューは、次のような流れで進みます。
↓
②ラリーは途中で止めず、そのまま最後まで続ける。
↓
③ラリー終了後、そのラリーを失ったチームがチャレンジを要求できる。
↓
④ブックマークされたプレーをビデオレビューシステムで再生する。
↓
⑤審判が複数のカメラ映像を確認し、最終的な判定を下す。
この流れでは、**ブックマークされていないプレーは原則としてレビューの対象になりません。**そのため、監督やスタッフは「どのプレーに疑問があるのか」をラリー中に素早く判断する必要があります。
従来のチャレンジ制度との違い
これまでのチャレンジ制度では、ラリー終了後に「どの場面を確認するのか」を指定していました。
しかし、ラリーが長くなると、ネットタッチやブロックタッチ、センターライン付近の接触など、複数の判定対象が連続して発生することがあります。
その場合、映像オペレーターは長い映像を巻き戻しながら該当シーンを探す必要があり、レビューに時間がかかることがありました。
ブックマークシステムでは、あらかじめ確認したいプレーに目印が付いているため、レビュー開始時点で目的の場面をすぐに表示できます。これにより、映像を探す時間が短縮され、試合のテンポを維持しやすくなります。
複数のブックマークがあった場合はどうなる?
FIVBが公表したルールでは、1つのラリー中に両チームがブックマークを付けることも想定されています。
この場合は、ラリー中で最初に発生したブックマークから順番に確認されます。
また、ラリー終了後にチャレンジできるのは、そのラリーで敗れたチームのみです。ブックマークを付けたからといって、すべてのプレーを確認できるわけではなく、実際にレビューされるのはチャレンジ対象となったプレーです。
このようなルールにすることで、不必要なレビューを減らしながら、試合の公平性とスピードの両立を目指しています。
ブックマークシステムはAIなのか?
ブックマークシステムは、AIが自動で判定を行う仕組みではありません。
役割は「レビューする映像の位置を記録すること」です。
一方で、実際のビデオレビューでは、高速度カメラや映像解析システムなどが利用されます。これらの技術によって撮影された映像をもとに、審判が最終的な判定を下します。
つまり、ブックマークシステムは**「どこを見るか」を管理する機能**、ビデオ判定システムは**「何が起きたか」を確認する機能**と役割が分かれています。
2026年から何が変わった?従来のチャレンジ制度との違い

2026年VNLで試験導入されたブックマークシステムで最も大きく変わったのは、**ブックマーク機能そのものではなく、「誰がブックマークを付けるのか」と「チャレンジの進め方」**です。
実は、ブックマーク機能は2025年までのビデオチャレンジシステム(VCS)にも搭載されていました。ただし、当時はチャレンジレフェリー(映像担当審判)がレビューを効率化するために使用する内部機能であり、チームが利用することはできませんでした。
2026年からは、監督やベンチスタッフもラリー中に確認したいプレーをブックマークできるようになり、ビデオレビューの運用方法が大きく変わりました。
2025年までのチャレンジ制度
2025年までのVCSでは、チャレンジレフェリーがラリー中に「後で確認される可能性が高いプレー」をブックマークし、レビュー時に映像を呼び出しやすくしていました。
一方、チームはラリー終了後にチャレンジを要求し、どのプレーを確認したいかを審判へ伝える仕組みでした。
↓
② チャレンジレフェリーが必要に応じて内部でブックマーク
↓
③ ラリー終了
↓
④ チームがチャレンジを要求
↓
⑤ ブックマークや映像をもとにレビュー開始
↓
⑥ 審判が判定
この仕組みでもレビュー時間の短縮は図られていましたが、チーム側はラリー中に「このプレーを確認したい」という意思表示はできませんでした。
2026年からのブックマークシステム
2026年のルールテストでは、チームもラリー中にブックマークを付けられるようになりました。
「あとで確認したい」と思ったプレーをその場で記録しておくことで、ラリー終了後はブックマークした場面からレビューを開始できます。
↓
② 監督・ベンチが確認したいプレーをブックマーク
↓
③ ラリー終了
↓
④ ラリーを失ったチームがブックマークしたプレーをチャレンジ
↓
⑤ ブックマーク位置からレビュー開始
↓
⑥ 審判が判定
つまり、ブックマークを「審判側だけ」で管理していた仕組みから、「チームも利用できる仕組み」へ変わったことが最大のポイントです。
変更点をまとめると
2025年までと2026年以降では、次のような違いがあります。
ブックマークを付ける人
2025年まで:チャレンジレフェリー(映像担当審判)が内部で使用
2026年から:監督・ベンチスタッフもラリー中にブックマーク可能
チームの関わり方
2025年まで:ラリー終了後にチャレンジを要求
2026年から:ラリー中に確認したいプレーをブックマークし、終了後にチャレンジ
チャレンジできる条件
2025年まで:ラリー終了後にチャレンジを要求
2026年から:ラリー途中のプレーは、事前にブックマークしたものだけがチャレンジ対象となる。また、ラリーを失ったチームはブックマークしたプレーの中から1件を選んでチャレンジする。
レビューの効率
2025年まで:審判側のブックマークでレビューを補助していた
2026年から:チームのブックマークも活用することで、確認したいプレーをより素早く呼び出せるようになり、レビュー時間の短縮が期待される。
なぜルールが変更されたのか
FIVBがこの新しい仕組みを導入した背景には、試合のテンポを維持しながら、公平で分かりやすいビデオレビューを実現するという目的があります。
近年の国際大会では、映像判定の機会が増えた一方で、レビュー時間が長くなることが課題となっていました。
ブックマークシステムは、確認したいプレーをラリー中に記録することで、レビューをスムーズに進め、選手・審判・観客のすべてにとって分かりやすい判定プロセスを目指した新しい運用方法といえます。
ブックマークシステムを支えるIT・映像技術

「ブックマークシステム」と聞くと、「AIが自動で判定しているのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、2026年VNLで導入されたブックマークシステム自体はAIではありません。
役割は、ラリー中に確認したいプレーへ目印を付け、ビデオレビューを効率よく行うことです。
一方で、この仕組みがスムーズに機能する背景には、映像技術やIT技術の進化があります。試合会場では複数の高性能カメラや映像管理システムが連携し、審判が短時間で必要な映像を確認できる環境が整えられています。
高速度カメラが正確な映像を記録する
ビデオレビューでは、通常のテレビ中継用カメラだけでなく、高速度カメラも活用されています。
高速度カメラは1秒間に数百〜数千枚の映像を撮影できるため、ボールがラインに触れた瞬間や、ブロックにかすかに当たった場面など、人の目では見逃しやすいプレーも細かく確認できます。
ブックマークシステムは、この高精細な映像の中から確認したい場面へ素早くアクセスする役割を担っています。
映像管理システムがレビューを効率化する
試合では、複数のカメラで撮影された映像がリアルタイムで映像管理システムに集約されています。
ブックマークされた時間情報もこのシステムに記録されるため、レビュー時には映像オペレーターが長い映像を探し回る必要がありません。
必要なシーンをすぐに表示できることで、レビュー時間の短縮や試合進行の円滑化につながっています。
AIや画像認識技術との関係
ブックマークシステムそのものはAIではありませんが、スポーツの映像解析ではAIや画像認識技術の研究・活用が進んでいます。
例えば、画像認識技術を使うことで、
・選手の動きを分析する
・試合データをリアルタイムで解析する
といったことが可能になります。
こうした技術は、選手のパフォーマンス分析や戦術の改善だけでなく、将来的には判定支援にも活用される可能性があります。
今後はAIとの連携も進む可能性がある
現在のブックマークシステムは、レビューを効率化するための運用ルールであり、最終的な判定は審判が行います。
しかし、AIやコンピュータビジョン(画像認識)の技術は年々進歩しており、映像の中から候補となるプレーを自動で検出したり、レビューをサポートしたりする技術の研究も進められています。
今後は、ブックマークシステムとこうしたIT技術が組み合わさることで、よりスピーディーで公平なビデオレビューの実現が期待されています。
実際のスポーツで活用される映像解析技術
ブックマークシステムは単独で機能するものではなく、すでにスポーツ競技で活用されている映像解析技術と組み合わせることで、その効果を発揮します。
近年はバレーボールだけでなく、多くの競技でデジタル技術を活用した判定支援が進んでいます。
例えば、テニスでは高速カメラを用いたライン判定システムが導入され、ボールがラインの内側か外側かを高い精度で確認できるようになっています。
サッカーではゴールラインテクノロジーやVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が普及し、オフサイドやファウルなどの重要な判定を映像で確認しています。
2026年VNLで導入されたブックマークシステムは、こうした既存の映像判定技術をさらに使いやすくするための新しい仕組みといえます。
よくある質問(FAQ)
ブックマークシステムとは何ですか?
ラリー中に「後で確認したいプレー」を記録し、ラリー終了後のビデオレビューを効率化するための新しいレビュー支援機能です。
AIが自動で判定するシステムですか?
いいえ。ブックマークシステム自体はAIではありません。
映像を確認する位置を記録する仕組みであり、最終的な判定は審判がビデオ映像を確認して行います。
従来のチャレンジ制度と何が違いますか?
従来はラリー終了後に確認したい場面を指定していました。
ブックマークシステムでは、ラリー中に対象となるプレーを記録できるため、レビュー開始までの時間短縮や確認ミスの防止が期待されています。
生成AIはスポーツの判定に使われていますか?
生成AIは文章や画像などを作成することを得意とするAIです。
一方、スポーツ判定ではコンピュータビジョンや画像認識、映像解析などの技術が主に利用されています。
そのため、生成AIと判定システムは役割が異なります。
まとめ

2026年VNLで導入されたブックマークシステムは、ビデオレビューをより効率的に行うための新しい仕組みです。
AIによる自動判定ではなく、ラリー中に確認したいプレーを記録することで、レビュー対象を明確にし、試合進行の円滑化や判定の公平性向上を目指しています。
また、このシステムは高速度カメラや映像解析、コンピュータビジョンなどのスポーツテクノロジーと組み合わせることで、その効果を発揮します。
近年はAIやデジタル技術の進化により、スポーツの世界でもさまざまな場面でテクノロジーが活用されています。ニュースで目にする新しい技術も、その仕組みを知ることで、スポーツの見方がさらに深まるでしょう。
AI技術は日々進化しています。ニュースで目にする技術も、その仕組みを知ると見え方が変わるかもしれません。
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チーム構成:建設工学部、自動車工学部、AI工学部の教員
専門分野:建設・建築・土木・造園・大工分野、自動車整備分野、AI・IT分野
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