バレーボールの判定もAI活用の時代?!2026年ネーションズリーグを支える最新技術を解説
- 2026.07.01
- 2.AI・ロボット分野
- コンピュータビジョン, スポーツAI, スポーツDX, スポーツテック, バレーボール×AI
●結論
ネーションズリーグでは、AI・画像解析・高速度カメラを組み合わせた判定支援システムが導入され、ライン判定やチャレンジシステムの精度向上に活用されています。AIが審判を完全に置き換えるのではなく、人間の審判を支援する形でスポーツの公平性と観戦体験を高めています。
●この記事でわかること
・バレーボールAI判定の仕組み
・ホークアイとコンピュータビジョンの役割
・ネーションズリーグでの活用事例
・AI判定のメリットと課題
・スポーツ分野におけるAIの将来性
●要点まとめ
・AI判定は高速度カメラと画像解析を組み合わせてボール位置を判定する
・ネーションズリーグではチャレンジシステムとして活用されている
・AIだけでなく人間の審判も重要な役割を担っている
・判定精度や公平性の向上が大きなメリット
・今後はスポーツDXやAI人材需要の拡大が期待される
バレーボールの判定もAIの時代!ネーションズリーグを支える最新技術

「今のボール、入っていた?」「ブロックに触っていた?」
バレーボールを見ていると、ほんの数センチの差で試合の流れが変わる場面があります。特に世界最高レベルの大会では、判定の正確さが勝敗を左右することも少なくありません。
近年、その判定を支えているのがAI(人工知能)や画像解析技術です。国際大会「ネーションズリーグ(VNL)」では、高速度カメラやコンピュータビジョンを活用した判定支援システムが導入され、より公平で正確な試合運営が進められています。
この記事では、バレーボールのAI判定がどのような仕組みで動いているのか、ネーションズリーグでどのように活用されているのかを、AI初心者にもわかりやすく解説します。
バレーボールのAI判定とは?
バレーボールのAI判定とは、AI・画像解析・高速度カメラなどを使って、審判の判定を支援する技術のことです。
重要なのは、「AIがすべてを自動で決めているわけではない」という点です。
現在の国際大会では、AIを活用したシステムがボールの位置や軌道を高精度で解析し、その結果を審判が確認して最終判断を行うケースが多くあります。つまり、AIは「審判の代わり」ではなく、「審判をサポートする存在」と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、次のような場面で活用されています。
・ブロックした選手にボールが触れたか
・ネットに触れたか
・サーブ時にラインを踏んだか
・ボールがアンテナに当たったか
これらを人間の目だけで瞬時に判断するのは非常に難しいため、AIや画像解析技術が大きな力を発揮しています。
ネーションズリーグを支える「ホークアイ」とは?

ネーションズリーグで使われている代表的な判定支援技術の一つが「Hawk-Eye(ホークアイ)」です。
ホークアイは、複数のカメラ映像を使ってボールの位置や軌道を高精度に追跡するコンピュータビジョン技術です。テニスのライン判定で有名になりましたが、現在はバレーボールを含む多くのスポーツで活用されています。
ホークアイの基本的な流れ
↓
②カメラがボールや選手の動きを撮影
↓
③コンピュータが映像を解析
↓
④ボールの位置や軌道を3Dで再現
↓
⑤審判がその情報を確認して判定
2026年のネーションズリーグでは、FIVB(国際バレーボール連盟)がビデオチャレンジシステムの運用をさらに高度化しており、遠隔で映像を確認する「Remote Video Challenge System Hub」の導入も進められています。これにより、各会場でより統一された判定が行えるようになると期待されています。(出典:FIVB、Volleyball World)
AI判定はどんな仕組みで動いている?

ここで、AI判定の仕組みをもう少し詳しく見てみましょう。
① 高速度カメラで撮影
まず、コートの周囲に設置された高速度カメラが、ボールや選手の動きを1秒間に何百枚もの画像として撮影します。
人間の目では一瞬に見えるプレーでも、カメラは細かく分解して記録できます。たとえば、スパイクがライン際に落ちた瞬間や、ブロックにわずかに触れた瞬間も捉えられます。
② コンピュータビジョンで認識
次に、AIを含む画像解析技術が、映像の中から「ボール」「選手」「ライン」などを認識します。
この技術を「コンピュータビジョン(Computer Vision)」と呼びます。
コンピュータビジョンとは、人間の目のように映像を理解する技術です。スマートフォンの顔認証や自動運転車の周囲認識にも使われています。
バレーボールでは、次のようなことを行います。
・ボールの移動方向を追跡する
・選手の手や体との接触を検出する
・ラインとの位置関係を計算する
③ 3Dで軌道を再現
複数のカメラ映像を組み合わせることで、ボールの軌道を立体的(3D)に再現します。
これにより、ボールがコート内に落ちたのか、ラインの外だったのかを高精度で判定できます。
テニスのホークアイで表示される「ボールの軌道イメージ」を見たことがある人もいるかもしれません。バレーボールでも同様に、映像をもとに位置情報を解析しています。
④ 審判が最終確認
AIが解析した結果は、ビデオチャレンジシステムを通じて審判に表示されます。
審判はその情報を確認し、競技ルールに基づいて最終判断を行います。
つまり、AIが「証拠」を提示し、人間が「判定」を下すイメージです。
AI・機械学習・ディープラーニングの違い

スポーツのAI技術を理解するために、よく出てくる3つの言葉を整理しておきましょう。
AI(人工知能)
人間のように判断や認識を行う技術の総称です。
機械学習
AIの一種で、データからパターンを学習する技術です。
ディープラーニング(深層学習)
機械学習をさらに発展させた技術で、大量の画像や映像を学習して高精度な認識を行います。
バレーボールのAI判定では、ディープラーニングを活用してボールや選手を認識する技術が使われています。
たとえば、AIに大量のバレーボール映像を学習させることで、「これはボール」「これは選手の手」「これはライン」と識別できるようになります。
ネーションズリーグでの実際の活用例

ネーションズリーグでは、主に「ビデオチャレンジシステム」としてAI技術が活用されています。
ライン判定
スパイクやサーブがライン際に落ちた場合、AIがボールの位置を解析し、「イン」か「アウト」かを確認します。
世界トップレベルの試合では、数ミリの差が勝敗を分けることもあるため、高精度な判定が求められます。
ブロックタッチ判定
ボールがブロックした選手に触れたかどうかを、映像解析によって確認します。
触れていれば、次にボールがコート外に出ても相手ボールになります。
ネットタッチ判定
選手がネットに触れたかどうかも、スロー映像や画像解析を使って確認されます。
サーブ時のフットフォルト
サーブを打つ瞬間にラインを踏んでいないかをチェックします。
これらの判定は、観客にも映像として表示されるため、「なぜその判定になったのか」がわかりやすくなり、試合の透明性向上にもつながっています。
AI判定のメリット
AI判定が注目される理由は、単に「最新技術だから」ではありません。スポーツ運営に実際のメリットがあるからです。
判定精度が向上する
人間の目では見逃してしまうようなわずかな接触や位置関係も、カメラと画像解析によって確認できます。
公平性が高まる
どちらのチームにも同じ基準で判定できるため、選手や観客の納得感が高まります。
試合運営がスムーズになる
映像をすぐに確認できるため、長時間の協議を減らしやすくなります。
観戦がより面白くなる
チャレンジ映像が大型スクリーンに表示されることで、観客も判定の過程を一緒に楽しめます。
これはスポーツ観戦のエンターテインメント性を高める効果もあります。
AI判定にも課題はある
一方で、AI判定には課題もあります。
AIだけで判断できない場面がある
たとえば、選手のプレー意図やルール解釈が関わる場面では、人間の審判の判断が必要です。
スポーツには「ルールの文面」だけでなく、「競技の流れ」や「プレーの状況」を考慮する場面もあります。
導入コストが高い
高速度カメラや解析システム、通信設備などが必要になるため、すべての大会で導入できるわけではありません。
システム障害への備えが必要
機械である以上、通信トラブルや機器故障が起こる可能性があります。
そのため、大会ではバックアップ体制も重要になります。
「AI=絶対に正しい」とは限らない
AIは非常に高精度ですが、カメラの角度や映像条件によって解析結果に影響が出る可能性もあります。
そのため、人間の審判と組み合わせて運用することが大切です。
スポーツDXとは?AIが変える競技運営
バレーボールのAI判定は、「スポーツDX(デジタルトランスフォーメーション)」の一例です。
スポーツDXとは、デジタル技術を使ってスポーツの運営や観戦体験を進化させる取り組みを指します。
たとえば、次のような分野でAIが活用されています。
・選手の動作分析
・ケガ予防
・戦術分析
・試合データの自動集計
・観客向け映像演出
・判定支援システム
今後は、AIが「試合を支える技術」としてますます重要になっていくと考えられています。
今後の展望|AI審判はどこまで進化する?

今後のスポーツ分野では、AI技術のさらなる進化が期待されています。
たとえば、次のような可能性があります。
・より高速なリアルタイム判定
・選手の動きの自動解析
・戦術提案への活用
・観客向けデータ表示の高度化
・他競技への技術展開
ただし、AIが人間の審判を完全に置き換えるというよりは、「人間とAIが協力して、より公平でわかりやすいスポーツを実現する」方向に進む可能性が高いでしょう。
そのため、AIを理解し活用できる人材の需要は、スポーツ業界でも今後さらに高まると考えられます。
よくある質問(FAQ)
Q. バレーボールの判定はAIだけで行われているのですか?
いいえ。AIや画像解析システムが判定を支援し、最終的には審判がルールに基づいて判断する場面があります。
Q. ホークアイはAIなのですか?
ホークアイは、複数のカメラ映像を解析してボールの位置や軌道を追跡するコンピュータビジョン技術です。近年はAI技術も組み合わせて機能が高度化しています。
Q. AI判定は100%正確ですか?
非常に高精度ですが、機器や映像条件による影響を受ける可能性があります。そのため、人間の審判と組み合わせて運用されています。
Q. ネーションズリーグではどんな判定に使われていますか?
ライン判定、ブロックタッチ、ネットタッチ、フットフォルトなどの確認に活用されています。
Q. AIを学ぶとスポーツ業界でも活躍できますか?
はい。画像解析、データ分析、スポーツテック開発など、AIを活用する仕事は増えています。スポーツ分野でもITやAIの知識を持つ人材が求められています。
まとめ

ネーションズリーグで使われているAI判定技術は、高速度カメラ・画像解析・コンピュータビジョンを組み合わせることで、バレーボールの判定精度と公平性を高めています。
特にホークアイをはじめとする判定支援システムは、ライン判定やチャレンジシステムで重要な役割を果たしており、2026年には遠隔ビデオチャレンジシステムの導入など、さらなる進化も進められています。
AIは「人間の代わり」ではなく、「人間を支える技術」としてスポーツの世界に広がっています。
バレーボールの試合を見ながら、「今の判定はAIがどう支えているのだろう?」と考えてみると、スポーツ観戦がさらに面白く感じられるかもしれません。
AI技術は日々進化しています。ニュースで目にする技術も、その仕組みを知ると見え方が変わるかもしれません。
AIについてさらに体系的に学びたい方は、日本工科大学校のAI分野の学びも参考にしてみてください。
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本記事は、当校の建設工学部、自動車工学部、AI工学部の教員一同によって執筆・編集されました。
現場での指導経験に基づき、最新の学習指導要領と生徒の学習状況を反映した正確な情報の提供に努めています。
チーム構成: 建設工学部、自動車工学部、AI工学部の教員
専門分野: 建設・建築・土木・造園・大工分野、自動車整備分野、AI・IT分野
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