自動車整備士とは
専門学校や大学へ進学の必要性、仕事内容の紹介
自動車整備士とは
自動車整備士は「自動車整備士技能検定規則」に規定された自動車のメンテナンスにおける知識と技術を備えた専門技術職です。 規定に達しているかは主に国家資格の取得によって認められます。 領域によって様々な種類が存在しますが、なかでも一級自動車整備士と二級自動車整備士がメジャーとなっています。
自動車の構造を理解し、現在起きている問題、また予期される問題はないかを診断、必要があれば分解して修理します。 自動車の不具合は重大な事故に繋がる危険性もあり、場合によっては命を失う恐れもあります。 そういった悲劇を未然に防ぐための自動車整備士はひいては人々の命を守る仕事です。
主な仕事内容
自動車整備士の仕事を具体的に解説すると、フェーズによって大きく2つに分かれます。
①点検
ドライバーの安全・またその周囲の人々のためにも、さまざまな検査項目に沿って自動車の機能に不備が無いか、劣化は無いか点検します。
ハンドル操作に違和感はないか、ブレーキは緊急時でもしっかり効いているか、各部品の締まりや劣化について細かくチェックします。
②分解
自動車の様々なパーツの中でも特に重要なエンジンやミッションといったものは付いたままで修理できないため、分解して取り外し、改善を図ります。
分解整備には工場自体が国の認可を受けた施設でなければ作業が許されておらず、高度な技術が求められるのはもちろんですが、作業内容の難しさが窺えます。
③緊急整備
運転中にブレーキが利かない、エンジンが止まった、といった動作不良や、事故で修理しないと動かない状態となった自動車は、部品の分解や交換等も行いながら整備・修理を行います。
事故などで強い衝撃を受けた自動車は外からでは分からない電気系同の不良が発生していることもあるため、入念な確認が必要です。
自動車整備士になるには
自動車整備士として働くに際し、法律上は特殊な資格が必須なわけではありません。 しかし各メーカーやディーラーとして就職するには国家資格を求められることが多く、実質的に国家資格が必要な仕事と言えます。
国家資格を取得するためにはまず受験資格を得る必要がありますが、これは国が定めた養成施設で所定の課程を修めなければいけません。 実務経験がない場合は専門学校か職業訓練校、高等学校が基本的に選択肢となります。 一般的に多い進路は、高校卒業後に進学できる専門学校で、4年制未満の場合は卒業時に二級自動車整備士の受験資格が、4年制の場合は一級自動車整備士の受験資格を得ることができます。 その中でもまずは二級自動車整備士を目指し、実務経験を経てから一級を目指すパターンが多いようです。二級でも単独分解作業が可能なので、就職は十分可能です。
自動車整備士に向いている人
向き不向きは一概に言えるものではありませんし、何よりその仕事に興味がある時点で適性があると言えます。 ただやはり専門職である以上はどういった人が多いかや、どういう能力は発揮しやすいという傾向があります。 そのため以下の例はあくまでそういう人が多い、という意味で向いてる人の参考にしてください。
①好奇心旺盛で勉強熱心である
自動車のような最先端テクノロジーが競争の中でどんどん生まれていく業界では、今最新の技術だとしても数年後には古くなっていることが多々あります。
さらに整備技術だけではなく環境への配慮や安全面、世論等様々な変化しやすい事柄にアンテナを張る必要があります。
ずっと同じことが出来ていればいい仕事ではなく、自動車整備士は常に学び続け、仕事に生かしていく姿勢が求められます。
最新テクノロジーへの高い好奇心と勉強を欠かさない姿勢を持っている人は、自動車整備士に向いていると言えます。
②コミュニケーションが苦ではない人
自動車整備士は自動車に関するプロで、整備技術に長けていればどんどん成長できる…というわけではありません。
自動車には必ず持ち主がおり、持ち主の不安や困っていることへのアドバイスや指導も、自動車整備士の仕事です。
専門科だからこそ、専門ではない人へ分かりやすく丁寧に教えることも大切な能力です。
また自動車の整備はチームで行うことも多いため、同職との連携のためにもコミュニケーションは必須です。
③コツコツと努力を続けられる人
自動車整備はカッコイイイメージもあると思いますが、その実では地道な作業の連続となることも珍しくありません。
野外での作業も多いため夏は暑く冬は寒いと非常に辛く思うことも多いです。さらに油や汚れ、力仕事は肉体的にも精神的にも堪えるシーンがあるでしょう。
しかしそうした時でも地道に努力を続けられる人が、どんどんと経験値を積んで技術も知識も重ねることができます。
気持ちで負けないためにも自動車が好きであるということ自体も、間違いなく向いている人の条件です。
これからの自動車整備士
自動車整備士の仕事は、近々での将来性は高いものの数十年後には形が大きく変わっている可能性を孕んでいます。 というのも車は今でも多くの人が足として利用しており、整備や修理の需要は依然高いままです。 しかし若者の間では車を持つ人、持ちたいと考える人が減少傾向であり、こまめに点検や修理をする人も減ってきているという事実もあります。 それに伴い整備工場自体の数も減少しており、自動車業界全体が今衰退の危機を迎えています。 しかし電気自動車やハイブリッド車のような最先端の技術はぞくぞくと導入されており、これまでの自動車整備士とは少し形を変えつつも、今後の需要は継続していくことが予想されます。 柔軟に技術や知識を吸収しながら変化する仕事内容に適応できる人であれば、自動車整備士としての将来性は期待できるでしょう。
自動車学部の学科紹介
学科・コース名 | 概要 | 目指せる職種 | 目指せる資格 |
---|---|---|---|
一級自動車工学科 | 電気自動車、水素自動車などの次世代自動車の最先端の技術と一級整備士を取得します |
一級自動車整備士 自動車検査員 セールスエンジニア 他 |
一級小型自動車整備士 販売士二級 低圧電気取扱者講習 他 |
自動車工学科 | 車を教材にして、自動車整備の基本技術を学び二級整備士を取得する学科 |
自動車整備士 二輪自動車整備士 自動車検査員 他 |
二級ガソリン自動車整備士 二級ジーゼル自動車整備士 二級2輪自動車整備士 他 |
車体工学科 | 兵庫県下で唯一の鈑金・塗装技術と車体整備士の資格を取得 |
自動車車体整備士 レストア技術者 自動車整備士 他 |
車体整備士 有機溶剤作業主任者 中古自動車査定士 他 |