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9割が落ちる?一級建築士の難易度について

9割が落ちる?一級建築士の難易度について

建築士としてあらゆる業務に対応可能となる「一級建築士」の資格は、毎年多くの人が受験しています。受験者数は年に30,000人を超えることもあり、その人気がうかがえます。

その一方で、一級建築士の試験は難易度が高く、簡単には合格できない試験で構成されています。受験者のなかには複数回受験に挑戦し、それでも合格できない人も多いです。

一級建築士を目指す際には、その難易度の高さについてきちんと理解しておく必要があります。なぜ一級建築士の難易度が高いのか、どんな対策を取るべきなのかを知ることが、合格に近づくための一歩になるでしょう。

本記事では一級建築士の難易度と、有効な受験対策について解説します。一級建築士を目指す方は、1つの参考としてみてください。

一級建築士の試験難易度について

一級建築士とは、国土交通大臣の免許を受けて建築物の設計や工事の管理などを行う専門職です。一級建築士として働くには「一級建築士」の国家資格が必要になるため、まずは就職のために国家試験を受験する必要があります。一級建築士を受験するにはいくつかの条件があり、具体的には以下のいずれかを満たすことが求められます。

・専門学校、大学、短大などの建築学科で指定科目を履修し、卒業した人
・二級建築士の資格を取得している人
・建築整備士の資格を取得している人
・外国大学の卒業者など、その他国土交通大臣が特に認める人

以前は上記の条件に加えて実務経験が必要でしたが、現在は現場を経験していなくても一級建築士の受験が可能です。しかし、それゆえに実践的な知識を身に付けられずに受験できてしまうため、試験難易度が高くなる傾向にあります。

一級建築士の合格率

一級建築士の合格率は、近年以下の数値で推移しています。

<学科試験>
平成30年:18.3%
令和元年:22.8%
令和2年:20.7%
令和3年:15.2%
令和4年:21.0%


<製図試験>
平成30年:41.4%
令和元年:35.2%
令和2年:34.4%
令和3年:35.9%
令和4年:33.0%

上記の2点を合算した総合合格率は、以下の数値になっています。

平成30年:12.5%
令和元年:12.0%
令和2年:10.6%
令和3年:9.9%
令和4年:9.9%

このように一級建築士の合格率は、わずか10%程度となっています。国家試験のなかでも屈指の難易度となっていることが、合格率からも見て取れます。

一級建築士の試験難易度が高い理由

一級建築士の難易度が高い理由には、さまざまな背景が関係しています。以下では、一級建築士の難易度が高い具体的な理由を解説します。

学科と製図の2試験に合格しなければならない

一級建築士は、学科と製図の両方の試験に合格しなければなりません。そのため片方に合格しただけでは、一級建築士の資格を取得できないのです。学科試験対策と製図試験対策の両方に時間を割かなければならない点は、一級建築士の難易度を高めている要因の1つです。

製図試験は毎年課題が代わり、近年の試験では以下の内容が出題されました。

令和元年:美術館の分館
令和2年:高齢者介護施設
令和3年:集合住宅
令和4年:事務所ビル

上記のように製図試験の課題は毎年大きく変容するため、幅広い知識と技術が求められます。学科試験に加えてこの製図試験の難易度が高い点も、一級建築士の合格率を下げている要因です。

学科試験範囲の広さも課題

一級建築士は、学科試験範囲も広めとなっています。さまざまな知識を習得し、それを試験当日に発揮する実力が求められます。一級建築士の学科試験範囲は、具体的に以下のようになっています。

・学科Ⅰ(計画)
・学科Ⅱ(環境・設備)
・学科Ⅲ(法規)
・学科Ⅳ(構造)
・学科Ⅴ(施工)

5科目にも及ぶ試験となっているため、幅広い範囲の学習が求められます。それぞれの科目の特徴や試験の傾向を確認し、細かな対策を取る必要があります。

学科は科目ごとに合格基準点をクリアする必要がある

一級建築士の試験では、上記の学科試験の科目ごとに合格基準が設けられています。それぞれの項目ごとの合格基準を満たさなければ、仮に特定の数科目が満点でも試験は不合格となります。

令和3年度の学科試験を参考にすると、各科目の合格基準は以下のようになっています。

・学科Ⅰ(計画):配点20点中11点
・学科Ⅱ(環境・設備):配点20点中11点
・学科Ⅲ(法規):配点30点中16点
・学科Ⅳ(構造):配点30点中16点
・学科Ⅴ(施工):配点25点中13点

上記の基準をクリアした上で、総得点数で90/125点以上で合格となります。

特定の科目に集中するため、一部の科目を最初から捨てるといった対策が取れません。合格のためにはすべての科目を学習し、半分以上の得点を獲得する必要があるのです。

参考:https://www.sat-co.info/blog/1kyukenchikushi20005/

一級建築士を受験する際の対策

一級建築士の国家試験を受験する際には、さまざまな対策が考えられます。以下では、合格に近づくための効果的な対策について解説します。

数年単位で合格を目指す

一級建築士の国家試験は、数年単位でスケジュールを立てて合格を目指す場合もあります。一級建築士の国家試験は年に1回実施されますが、学科試験に合格した場合、翌年以降4回中2回までの学科試験が免除されます。

5年間が試験免除の有効期間となるため、まず学科試験に合格して、その後製図試験に合格するというスケジュールを立てることも可能です。学科試験が免除になる間は製図試験の対策にだけ集中できるため、勉強の範囲を限定できるメリットがあります。

専門的な学習環境を活用する

一級建築士の合格を目指すのなら、専門的な学習環境の活用もポイントです。独学でも受験は可能ですが、その難易度から自分1人で万全な対策を取ることは難しいでしょう。

専門学校や大学の建築学部に進学するなど、専門的な学習環境で学ぶ準備をするのもおすすめです。

まとめ

一級建築士は、例年10%前後の合格率を見てもかなり難易度の高い試験だと言えます。そのため一級建築士を目指すのなら、相応の勉強時間の確保と効率的かつ効果的な勉強方法・環境の整備が必要になるでしょう。この機会になぜ一級建築士の試験難易度が高いのかを確認し、適切な対策が取れるように準備をしてみてください。

「日本工科大学校」の「建築学部」では、実際に一級建築士の資格を持つ講師が授業を行っています。試験対策のサポートも実施しているため、一級建築士になりたい人に合わせた最適な学習環境を提供できます。

一級建築士を目指すのなら、日本工科大学校の建築学部の魅力をぜひチェックしてみてください。

建築学部の学科紹介

学科・コース名 概要 目指せる職種 目指せる資格
環境建設工学科 建築コース
設計から施工まで、建築を総合的に学び、インテリアやバリアフリーへの理解も深める。

設計士
施工監督員
インテリアデザイナー 他

建築士
施工管理技士
建築CAD検定
インテリアプランナー 他
環境建設工学科 土木・造園コース
土木の基礎である測量・CADはもとより環境分野も学び、自然環境を守れる建築士へ。

施工監督員
測量士
土木コンサルタント
造園デザイナー 他

施工管理技士
測量士
建築士
ビオトープ管理士 他
建築職人マイスター科
大工・左官など伝統の匠の技と合わせてCADを始めとする建築技術の基礎、設計・施工も学ぶ。

大工職人
左官職人
設計士 他

建築大工技能士
左官技能士
施工管理技士
建築士 他
建築士専攻科
難関資格である二級建築士の資格取得を最短で在学中に目指す。全国平均を大きく上回る合格率。

建築士 他

二級建築士
木造建築士 他